「どんな世界観のゲームを作ろうか?」
ボードゲーム制作を始めると、つい美麗なイラストや壮大なテーマを思い浮かべてしまいますよね。
未経験からゲムマ出展を果たした私たち素人チーム「あおときばこ」の結論は明確です。
ボードゲームにおいて「世界観」とは、わざわざお金を払ってもらうための最大の理由。

しかし、「世界観(絵)」と「UI(読みやすさ)」は全くの別物です。
お客様が快適に遊べるUIの知識だけは、作り手として絶対に妥協してはいけません。
この記事では、私たちがゲムマ出展後に痛感した「カード両端デザインの大失敗」を大公開。
さらに「チーム制作における人間関係と品質の葛藤」という生々しいリアルをお届けします。
私たちの失敗という「屍(しかばね)」を越えて。 あなたが最高のゲームを作り上げるための、泥臭いヒントを受け取ってください!🔥
なぜトランプではなく、あなたのボドゲを買うのか?
システムだけなら「トランプ」や「紙切れ」で事足りるという残酷な真実

極論からお伝えします。 ルールの面白さだけを追求するなら、身近なもので代用できてしまいます。
トランプ、UNO、あるいは適当な紙切れに数字を書いたもの。それらを使えば、世の中の大半のゲームシステムは再現可能です。
ボードゲームを作るなら、まずはこの残酷な前提から逃げてはいけません。
システムが面白いだけでは、わざわざ商品として成立しないのです。
お客さんがお金を払うのは「世界観という没入体験」である

では、なぜ人はわざわざ箱に入ったボードゲームを買うのでしょうか?
答えは「非日常の没入体験」を味わうためです。
ただの紙切れが「世界観」という衣をまとう。それだけで、プレイヤーはゲームの世界に深く引き込まれます。 「ただルールを遊ぶ」のではなく「その世界観に浸る時間を楽しむ」のです✨
世界観(テーマやアートワーク)こそが、あなたのボドゲを買う最大の理由。 商品として世に出す以上、世界観は絶対に欠かせない必須要素です。
順番に注意!未経験者は「ルール」から作り「世界観」を後付けせよ
素人に「世界観(テーマ)からシステムを作る」のは難易度が高すぎる

世界観が大切なのは間違いありません。しかし、作り方の「順番」には要注意です。
プロのクリエイターは、テーマから逆算して素晴らしいシステムを生み出します。しかし、専門知識を持たない素人がこれを真似するのは至難の業。見栄えの良いテーマだけが先行してしまう。結果、肝心の「ゲームとしての面白さ」が伴わず企画倒れになりがちです。
未経験者が最初にやるべきこと。 それは、一番安い「紙とペン」を使って、とにかく遊べるルール(土台)を完成させることです📝
ターゲットから逆算して衣を着せる(マトリョーシカポーカーの事例)

ルールの土台ができあがってから、初めて世界観の出番です。
「このゲームは、どんな人に遊んでほしいか?」 ターゲットの感情から逆算して、ゲームに衣(ストーリー)を着せていきます。
私たちの処女作『マトリョーシカポーカー』が良い例です。
テストプレイを重ねた結果、「ヒリヒリとした極限の心理戦を楽しむ、頭を使うゲーム」に仕上がりました。 ターゲットはじっくり思考を巡らせるのが好きな人。ワイワイ騒ぐバカっぽい雰囲気は合いません。
目指すべきは「エレガントさ」。プレイヤーが黙り込み、沈黙さえも楽しめるような上質な雰囲気。
ターゲットの感情を言語化したことで「カジノのようなシックなデザイン」という世界観がピタリと決まりました🎲
「イラスト(絵)」と「デザイン(UI)」の決定的な違いと痛烈な反省
読まれなかった『ノンデザイナーズ・デザインブック』

世界観が決まれば、次はコンポーネント(内容物)のデザイン制作です。ここで、絶対に知っておくべき重要な事実があります。
「絵を描くセンス」と「情報を直感的に伝えるUI(読みやすさ)」は全くの別物です。
私たちのチームには、センス抜群のメンバー「きのこ」がいました。私は彼にUIの基本として使えそうな知識として、家で持ち合わせていた、デザインの超名著『ノンデザイナーズ・デザインブック』を貸し出しました。
しかし、彼はその本を読みませんでした。
当時は笑って済ませていましたが、これは猛省すべきポイントです。
ボードゲームは、お客様がお金を出して遊ぶもの。 アートで惹きつけるのは当然ですが、快適に遊べるUIを構築するのは作り手の責任です。 絵の才能だけで、遊びやすさは担保できません。
これからUIを担当する方は、この本で「視認性」や「情報の配置」の基本を絶対に学んでください!
仲間の気持ちか、品質か。チーム制作における「在り方」の難しさ

本を読まなかった彼に対し、私は「ここは直して」と強く言えませんでした。 彼のセンスを信じ、すべてを一任していたからです。 友達だからこそ、彼の作りたいものを尊重したい気持ちもありました。
しかし、チームの空気感を守ることと、お客様へ届ける品質を守ること。この2つの間で、私は強く葛藤しました。 正解は一つではありません。 しかし、これからチームを組む人は必ずこの「チームの在り方」の難しさに直面します。
仲間の気持ちと、お客様への配慮。 あなたなら、どこで折り合いをつけますか?
痛恨のUI大失敗!リリース後に気づいた「手札」の死角

手札を開いた瞬間、カードの効果が隠れて見えない!?

UIの知識を疎かにし、一任した結果。 私たちはリリース後に、とんでもない「大失敗」に気づきます。
それはカードのデザイン設計です。 私たちは、カードの「左右上端」にカードの効果を配置してしまいました。 1枚だけ机に置けば、とても綺麗でバランスの良いデザインです。
しかし、カードゲームを遊ぶ時の「プレイヤーの動作」を想像してみてください。 プレイヤーは複数枚のカードを扇状に広げ、「手札」として持ちます。
扇状に重ねて持った瞬間。 なんと、左右上端に配置したカードの効果が、後ろのカードに隠れて全く見えなくなってしまったのです💦
手札を確認するたびに、いちいちカードを広げ直さなければならない。 これは没入感を削ぐ、致命的なデザインミスでした。
先輩からの指摘。「左上」に置く技術より、遊びやすさを考え抜く姿勢を

このミスに気づいたのは、ゲームマーケットでの販売がすべて終わった後でした。 先輩サークル「HoF GAMES」さんから指摘を受けて、初めてハッとしたのです。
カードの重要な情報は「左上」に置くのが定石。右利きの人が扇状に広げた時、確実に見えるのは左上だからです。 これから作る人は、ぜひこのテクニックを使ってください。
しかし、もっと大切なことがあります。 手札の広げ方は人によって違います。左利きの人もいます。
「左上に置けば正解」という表面的な手段に溺れないでください。 本当に大事なのは「お客様がいかに遊びやすいか」を、作り手が絶対に考え続けることです💡
まとめ:私たちの屍を越えて、最高のゲームを作ってほしい

世界観はお客様を惹きつける最大の武器。 しかし、UIはお客様に対する作り手の最低限の配慮(責任)です。
完璧を求めて手が止まるのは本末転倒ですが、遊ぶ人の視点だけは最後まで徹底的にこだわり抜いてください。 私たちの痛烈な反省と失敗の数々。 どうかこの屍を越えて、最高に面白くて遊びやすいボードゲームを世に送り出してください!

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